ブーンブーンブンブンブーン、多数の監視モニタが並んで置かれた監視ルームに、定時巡回を終えた警備サラリマンが戻ってくる。
サラリマンは自分の権限では入室できない「担当関係社員以外入室禁止エリア」の様子を端末を捜査し次々とカメラを切り替えチェックしていく。
モニタはニンジャスレイヤーがゲーム攻略中の偽装社員福利厚生ルームをも容赦なく映していく。
「宮殿には一般市民」「合理性」「実際安心」など壁に貼り付けられた標語が次々映り、そして…無人の部屋!
既にセキュリティネットを掌握したナンシーがモニタにダミーの映像を流させているのだ。タクミ!
「…異常なし、と」
警備サラリマンはそうつぶやくとドカッと椅子に腰を下ろしモニタを一般放送に切り替える。
人気オイランドロイド・デュオのネコネコカワイイがレギュラーのちょっと演出過激な深夜ミュージック・バラエティ番組を見ながら警備サラリマンはバリキドリンクの蓋を開け、しばしの休憩を楽しむのだった…
「官吏終了。槍兵を長槍兵にアップグレードしたら次のイクサを仕掛ける」
無論ニンジャスレイヤーはその先まで既に見据えている。
鉄器で鉄沸き UPに期待した後はUUの連弩兵のため機械まで一気…
#SOUKAI_NET:NANCY:次も何か策はあるの?
「『ツーステップ・マーチ』を使いアンブッシュ(奇襲)をかける」
ツーステップ・マーチとは敵領土の2マス外、つまり敵の視界外ギリギリに兵を集結させ、宣戦と同時に雪崩れ込む作戦である。
敵は領土付近に他国の兵を見つけるとそこに兵を集結・兵の増産等を始めるため、そうさせないための作戦だ。
敵防衛部隊が領土最外周まで哨戒に来たら見つからないようさらにもう一歩下がるのが肝要である。
ちなみにこの作戦は平安時代の哲学者にして希代の剣士、ミヤモト・マサシの「三歩進むために二歩下がる」の格言が基となっている。
宗教強化で苦行と聖職叙任、名誉ツリーコンプリート。
着々と戦争国家の体制が強化されていく。
ニンジャのイクサに情けや容赦といった言葉は存在しないのだ…
ドーモ。ヤモト・コキです。
私みたいなニュービーがインストラクターじゃって断ったんだけど、その方が初級者と話が通じやすいからって言われて。
取りあえず自分なりに解説するね。ほとんどカギ=サンの受け売りだけど…
まずは自分の生存が最優先。死して屍拾う者無し。敵の動きを察知せよ。
敵が攻めてくるなら必ず軍勢で向かってくるから領土の少し外側に歩哨を立てとくと察知しやすい。
察知したらぼーっと立ってないですぐに引き返し領土内で防衛体制。
だけど敵が宣戦と同時に攻撃を仕掛けられる位置には極力居てはダメ。
初撃で踏み込まれたくない場所があるなら領土を買って押し広げておくのも手。
敵が最初のターンで仕掛けようと前に出る。そこを次の自ターンで迎撃する。
敵の攻撃を切っ先でかわし、仕掛けようと体勢を崩した所を打ち据える。これがイアイの基本にして極意。
都市は高HP・自動回復。上手く利用せよ。
兵を引かせて一服する時間を与え、次はその兵で押し上げ都市を一服させる。
領土内である利を生かせ。つまりはフーリンカザン。回復量・視界・道路利用・即金生産…
敵が引いたからってウカツに前に出てはダメ。
引いたフリで再突撃でこちらを崩そうとしてくる場合も多い。
こちらから前に出て仕掛けるのは敵に致命傷を与えられると確信した時だけ。
仕掛けると決めたら一気に(実用生産力の)全都市で兵を生産して完全に崩れるまで緩めるな。
ここまではカウンター。いわゆる後の先。
宣戦ペナルティが許容できるなら自分から宣戦して威力防衛。
なにしろ敵から近づいてきてくれる。機先を制せ。
…こんな所かな。
私のワザマエもまだまだ未熟だから余り偉そうには言えないんだけどね。
「ガハハ、トロワがもうすぐ落ちるぞ!愉快愉快!」
フランスを侵攻中のソンガイ。
戦況は優勢であり、アスキアは宮殿でイクラ・キャビアを摘まみながらサケを上機嫌で飲み続けている。
そしてついにトロワ陥落の一報が届く。
「Wasshoi!」
「ドーモ。アスキア=サン。ニンジャスレイヤーです」
「アイエエエ!?ド、ドーモ。奇襲?大軍?ナンデ!?」
アスキアの手からイクラ・キャビアが思わずこぼれ落ちる。
「今こそオヌシの主力軍は最も疲弊している時。ハイクを詠め。カイシャクしてやる」
「アイエエエエ!!」
アスキアはたちまち失禁!
「イヤーッ!」「グワーッ!」
ガラ空きの首都に容赦ない総攻撃!ソンガイの首都はたちまちソクシ!
「よし、このまま北上してトンブクトゥ→トロワと落としていくぞ」
ソンガイの主力軍は疲弊している上、出征路を引いてなかったので帰還が間に合わない!ウカツ!
「ソンガイは道中に橋頭堡を確保しなかったが故に戦線が完全に分離し弱点を突かれた」
「人口1の都市でも良いのでこのようにきちんと最低限は都市間を埋めていくべきなのだ」
ブッダ!ニンジャスレイヤーの一分の隙も無い戦闘態勢にアスキアはどんどん追い詰められていくばかり!
「ナンデ!?ニンジャナンデ!?どうしてこんな事に!!」
「インガオホー。都市を落とすなら落とされるカクゴも必要と言うことだ」
無残にも氷土都市まで追い詰められたアスキアにニンジャスレイヤーの必殺のカラテ・チョップが炸裂!
「サヨナラ!」
145ターン、アスキアは爆発四散!!
「ドーモ。ナポレオン=サン。ニンジャスレイヤーです」
「ドーモ。ニンジャスレイヤー=サン。ナポレオンです」
「この大陸に残るはオヌシ一人。カクゴするが良い」
「ふんっ、私を滅ぼせるものなら滅ぼしてみろ。ただしそう簡単には倒されんぞ」
「見よ!この天然超要塞ヌクリッチ(温り立地)を!」
「首都までは海と山岳に挟まれた一本道!」
「海を渡ろうにも西も東も我が海洋都市が存在し三段櫂船が多数巡回!」
「おまけに万里持ち!」
「いかにニンジャとて早々は突破できまい!」
#SOUKAI_NET:NANCY:どうするのニンジャスレイヤー=サン。彼の言うとおり進軍は非常に困難よ。
「………」
「アイエエエ!?領土が!?万里が!?」
ゴウランガ!!大将軍・ニンジャ二体による連続ドトン・ジツ!
強引に領土と万里を抉り取る!
UAと名誉の相乗効果ならではのニンジャスレイヤーの奥の手だ!!
さしもの名将もたまらず失禁!
「隣接敵に毎ターンダメージを与える城塞を横付けされては敵兵は首都に籠もることすらかなうまい」
「最大の難所である首都を落とし万里を奪えば最早フランスは敵ではない」
今にも燃え落ちようとしている宮殿でナポレオンは一人玉座に座っていた。
自分とこの国には華やかで輝かしい未来が待っていたはずだ。どうしてこのような結果に?
(安い、安い、実際安い…)
ナポレオンの頭の中にコケシマートのテーマソングが頭に流れる。
貧しかった子供の頃、両親に良く連れられていった庶民層御用達の総合日用品店だ。
死を目前にした者に現れると言われる記憶のフラッシュバック。ソーマト・リコール現象。
(僕いっぱいベンキョウして士官学校に入って偉くなってそうしたら)
(パパとママに僕の誕生日だけでなくいつでも好きな時におスシを食べさせてあげるね!)
(あらあら、頼もしいわね)
(ははは、期待しているぞボウズ)
(安い、安い、実際安い…)
「………」
「…敗軍の将よ、ハイクを詠め。カイシャクしてやる」
ナポレオンは黙って懐から短銃を取り出すと自らのこめかみに突きつける。
西洋式セプクのモーションだ。
それを見たニンジャスレイヤーは手を合わせオジギをし、ナポレオンに敬意の念を示す。
「ヌクリッチ、温り切れねば、死あるのみ…」
「サヨナラ!」
170ターン、ナポレオンは爆発四散!!
#MONCHAN_WIKI:KAZAMA:ご意見・ご感想等があるのですか?ヨロコンデー!!^^
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